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コードレスヘッドフォン「ATH-CL33」

紹介と使ってみた感想とか

何それ?

これ: http://www.audio-technica.co.jp/products/hp/ath-cl33.html

AV 機器の大手メイカー Audio Technica から販売中のヘッドフォンで、何とコードレス!  無線で音楽が聴けるのだ。

仕組みは、通常のミニプラグを送信機(トランスミッター)から挿して、 赤外線でヘッドフォン本体(レシーバー)まで音を飛ばすというもの。

無線のは他にもいくつかあるんだけど、大体値段が高いものが多い。 そんな中これは実売価格で五千円前後というお買い得品。 (私は地元のヤ○ダ電機にて \5,229- で購入。)  まぁ普通の有線ヘッドフォンでそんなにお金出したらそれなりに良いのが買えそうだけれども。

ともあれ、そんなモンを先ほど購入してみました。 ついでなので素人レビューしてみます。 音質には大してこだわらないような、あくまで素人が思った事なんで、あんまし参考にはならないかもしれません。 しかも購入直後に書いてるんで、使い込んでいけば色々また思ってくる事でしょう。 その点あらかじめご了承頂きたいと思います。

まず、「無線」は使えるのか

何でもそうだけれど、何より心配なのがちゃんと使えるのかどうか。 無線 LAN が繋がらないとか無線マウスで混線するとかよく聞くわけじゃないですか。 んじゃあこれは一体どうなのよ、と。

結論。 ちゃんと使えます!

店頭にデモ機がなかったんで不安だったんですけど、何も問題ありません。 説明を見ると発信機の正面にしか赤外線を飛ばさないように見えますが、発信機を後ろに向かせてもちゃんと聞こえました。 角度も、傾けた位置からでもちゃんと聞こえます。 (壁とかで反射してるみたい。)  ともあれ発信機の向きは気にしなくても平気という感じ。 特別気にかける事なく使用できます。

とはいえ電波ではなく赤外線で音を飛ばしているため、やはり障害物に非常に弱いです。 まぁ当然ですけどね ... 。 無線 LAN みたいに「発信機一台で家中をカバー」なんて事は到底無理です。

逆に面白いのは、「何か」にぶつかればそこから迂回して赤外線が届くので、うまくモノを配置してやれば壁越しに聴けない事もないです。 とはいってもやっぱりノイズ入るし簡単に範囲から外れるしで、ちょっと遊んでみる程度にしかなりませんけど。

ちなみに赤外線が届く距離は 7m だそうです。 おそらく一般家庭なら十分な距離でしょう。 少なくとも我が家では「遠くて届かない」事象は起こっていません。

音質と使い心地

音質は「悪くない」という程度。 良質の音で聴きたいのであれば、素直に有線の良いものを買うべきです。 (ちなみに同社のもので、2/3 くらいの値段の普通のヘッドフォンと比べても聴き劣りします。)  もちろん格別悪いわけではないので日常での使用には耐えうる程度ではあります。 個人的には十分満足できる音質だと思いました。

しかしヘッドフォンの形状がオープンエア型なのでガンガン音漏れします。 夜中に寝室の隣じゃ使えないでしょう。 まあボリューム下げればいいんだけど。 このあたりは好みの問題だと思うんですが、もうちょっと包み込むような形のほうが良かったと思います。 あー高いのかな、密閉型って。 そういえば高級ヘッドフォンはあっちの形してるのが多いような ... 。

で、音質は問題ないんですが、どうにもノイズが気になる感じです。 無線だから仕方ないのかなぁ、残念。 障害物がある時なんかはもちろんノイズが聴こえるんですが、そうでない状態でも聴こえる事があります。 なんなんだろうな、ギターで絃が「ビビる」感じのノイズが聴こえるんですよ。 ある程度静かな曲で、なんだかビビるように感じます。 でも全然そういうのが聴こえない時もあったり。 うーん。

同様に、時々無音時に耳鳴りみたいな音が常時聞こえる事があるようです。 耳鳴りというよりは CD を読み込むときの「ピー、キュルルルル ... 」といった感じかな。 これは気持ち悪い ... !!  ある程度音量が出てるところだと気にならないんですけど。 しかも時々しかならないんだよな。 何だろう。 再現方法が不明。

こういう雑音は、プレイヤ側のボリュームを上げる事で改善されました。 あれ、という事は無線だからじゃなくて装置の方の問題か。

...... 。 ちょっとボリューム調節してみたんですが、うまくやればほとんどノイズが出ないかもしれません。 うまくやるってのが難しいんですが。

ヘッドフォンの形状

コードレスって事で首周りすっきりなんですが、ついでにヘッドフォンの重さも 170g と軽いため、つけているは楽ちんです。

楽チンなのは良いんですが、あんまり軽いんですぐ吹っ飛んでしまうという問題も。 机に向かって作業しながら、ヘヴィメタルを聴いて激しくヘッドバンクしたりするんでなければ問題ないかもですけど。 あとは歩行時には多少気をつける必要がある。

そして、真下を向くと落下します。 するりと。 すとんと。 これはやっぱり形状の問題なんでしょうかね。 せっかくの無線なのに動作が制限されてしまうのは悲しい事 ... 。 (この記事書いてる途中でも落としました ... 。)  メガネ紐とかつけて補強(?)すると良い感じかも?  今度試してみよう。

逆に締め付けは緩いので、長時間つけてても耳が圧迫されて痛くはならなさそうです。

そういえばパッケージ裏面に無調整で頭にフィットするウイングサポートとあるんですが、 これはバネが緩々でほとんど役に立ちません。 稼動部に何かをかませないと無駄無駄ァ!  そんな事しなくても使えない事はないんですが。

ところでヘッドフォンの部分にボリューム調節がついてるんですが、これがすごく便利!  プレイヤの方は大き目の音にしておいて、手元で調節するのが良い感じです。

機能

送信機への入力が約 60 秒途切れると、自動的に電源が落ちるという「オートパワーオン/オフ」機能が付いてます。 この機能のおかげで、基本的にこの送信機の電源は入れっぱなし、という使い方ができるようです。 「むしろ邪魔」という話も聞きますけど、どうなんでしょうかね。 ちなみに、送信機の電源スイッチは「OFF」と「AUTO-POWER ON/OFF」の二通りしかありません。

そういえばこのシステムは、送信機は AC アダプタ、受信機(ヘッドフォン)は単四電池二本で動きますが、 パッケージには充電式ニッケル水素電池二本が付属されています。 ありがたい心遣いです。 しかも、受信機は充電器を兼ねているので、このパッケージだけで利用できるわけです。 さらにヘッドフォンに電池を入れている時でも、受信機からコードで繋げばそのまま充電が出来るというのが便利。

まとめ!

音質は悪くありませんが、ノイズが気になります。 (不安定です。)  ただし、うまく調節してやればほとんど聴こえなくすることも可能です。 障害物には弱く壁越しの利用は不可能と捉えて間違いないものの、ある程度でしたらなんとか受信できるようです。 基本的に軽量で首は楽ですが、反面非常に外れやすく、特に下方向を向いた時はまず落下するものと考えるべきです。

単四型の充電池が付属されており、また充電方法も工夫されているためとても便利です。 市販の充電池をもう一組そろえると、充電しながら使用できるのでお勧め。 ヘッドフォン部分でボリュームが調節できるのも便利。

そして何より、コードがないのが素晴らしい!

個人的には大いに満足しております。


この文書の履歴

2004/12/29
初出
written by : 高梨ギンペイ